2021年のご挨拶

改めまして本年も何卒よろしくお願い致します。

昨年は、たくさんの絵を見ていただき、本当にありがとうございました。

この一年で、より自分の核心に近いところを表せるようになった手応えがありました。

今年はひきつづき、
自分の《創作と表現》をどんどん深く掘り下げていきます。

私の絵は

『誰からも好感を持たれる“感じがいい絵”』でも
『“画力で殴る”ようなウマ絵』

でもありません。

かなり人を選ぶであろう絵ですし、
技巧的というよりはプリミティブなイメージ
だと思います。

数年かけて絵の技術の見直しなども進めてきましたが
さまざまな「学んできた技術」や「できること」から
枝の剪定をするように、あえて切り落としていく段階だとも思います。

学んだけど使わない技術も選びつつ、
身体的にも自分に合う、肩の力を抜いて描ける画風を目指していきます。

そして
なによりも私が目指すのは、そういった外側ではなく

《あなたの魂の奥に触れる》こと。

ファンタジーを描いてはいても

「《現実を生きているあなた》の心の奥底に届けたい」

と思っています。

「ゲームをつくれない代わりに絵を描いている」
のではありません。

ストーリーのあるゲームで表現したかったこと、伝えたかったことを、
もっと深く堀り下げて、
もっと濃厚に、端的に。

『一枚の絵と数行の言葉で伝えることが十分可能だ』

と信じ続けて描いています。

《「ハッ」として「ジワッ」とくる》

という瞬間が最高で、
そのためにすべての自分の創作表現があります。

それはきっと
カテゴリーしにくい

『謎の感覚』『わけのわからない感動』

なのだと思います。

でも、そういうものにこだわり続けてここまで来ました。

自分自身が、闇と孤独の中にあった17歳ぐらいのころ、
新しい感動を教えてくれて
生きる勇気や希望を与えてくれたのが
創作物であり、それを作った創作者・表現者たち。

そうして受け取ったものを、
今度はこの世界の人たちに還元したいのです。

こんなにも重い制作姿勢は、
きわめて今の時代に合わないと感じますが、
ここを妥協するとすべてが狂ってきてしまうので、
あらためてしっかりと握りしめていきます。

今年も楽しく真剣に

《あなたの魂の奥底に届くように》

創作表現をしていきます。

どれかひとつでも
あなたの心の奥底に届き、
震わせることが出来たら、
私はとても幸せです。

そうして通じ合える人と
残りわずかな人生を歩んでいきたいと思います。

本年もよろしくお願い致します。

2021.1.3
川口 忠彦

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