ジャクソン・ポロック展

ジャクソン・ポロック展に行ってきた。
お恥ずかしながら、最近まで名前すら知らなかった。

聞いていたのかもしれないが、認識していなかったのかもしれない。

抽象画自体はどちらかというと好きではあるので、
結果的に作品自体は楽しんだが、
そもそもは特に好みというわけでもなかった。

 

それでも展覧会に足を運び、さらには、勉強会にも参加したのだが、
理由はと言えば、今更ながら、最近強く思うようになったのだ。

 

「自分の好みだけで見るものを取捨選択する」か否か。

 

この点が、「プロとアマ」「専門家とそれ以外」を分ける重要なポイントなのだと。

 

今さらか、と思うかもしれないが、今さらなのだ。
好みのものというのは、放っておいても自然に深堀していくことになる。
(もっともこれも、自覚的でないと、ある線を越えられない)

ましてや好みでないものは、意識しなければアンテナに引っかかってこない。

そういうものにまで広げて、自分の担当分野の見聞を広げておくことは、
マイナスはない。

改めて、自分がセブンのアートディレクションや、ヴィーナスの監督などを
どうにかやり遂げることができたのは、ほかでもない、ゲームの歴史や文脈を、
(好きが高じた結果ではあったが) かなりしっかりと押さえていたからだと思う。

そういった集積がなければ、次第に創作の土壌は痩せ細っていく。

 

ポロックは、現代に続く美術の文脈の中で、大きなポイントになるアーティストのようだったし、19世紀末あたりの僕の好きな美術のロマンチックさと、
20世紀以降の、現代のモダンアートに続く現実感とを分ける、
大きなポイントになるアーティストなのではないかと思い、出不精な自分に鞭を打って出かけたが、その収穫は大きかった気がする。

ジャクソン・ポロック展

東京国立近代美術館で5/6まで。
ポロックを大々的に扱うという意味では、日本では初めての試みのようだし、
まだ会期があるのでおすすめしておきたい。

展覧会特設サイト
http://pollock100.com/

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