“鳥王フェニクス”

寒中見舞い申し上げます。 本年もどうぞよろしくお願いいたします。 今回は、年始のご挨拶としてお送りしたハガキの絵を軸に、少しお話をしたいと思います。 これまでは、あえてアナログに、ハガキを手にした人だけのお楽しみということにこだわっていたのですが、今回はより多くの方に楽しんで頂けたらと、画像にて紹介したいと思います。   “鳥王フェニクス”と題した、ドローイング作品です。   “鳥王フェニクス” 冥府の闇空 宵の国 鳥王フェニクス 幾千の光雛 我らは源 我らは闇 尽きることなく 湧くいずみ 降り注げ わが子らよ 燃え盛れ 光よ 彼の地 彼の果て 彼の夢に 制作 2016.12 川口 忠彦 モンバルキャンソン紙・鉛筆・ClipStudio・Photoshop   表現したいことは全て絵と詩に込めてあるのですが、 今日は蛇足ながら、画作りや背景になる文脈のことについて、少し解説をしたいと思います。 以下は単なる私の方の考えであり、少しでも楽しみや味わいが増えれば、という意図のものです。 絵を見て下さった方が感じたことを、否定したり、修正を迫るようなものではまったくない、ということをあらかじめ申し添えておきます。   《画作り》 酉年ということで、“鳥”縛りで、フェニックスを題材に。 『闇を描くことで光を描く』という、絵画の王道スキームで組み立てました。 フェニックスは復活、不滅性、再生、存続を象徴します。 小鳥たちが育つための巣になろう木枝の冠、 我が子らを見る鳥王の慈愛の表情と、決して全体を明るくしないながら、階調のコントロールをデリケートに施し、強く温かい光を感じられるイメージにこだわりました。 鳥たちや各ポイントの構図上配置での視線の躍動感。 質感は、アナログとデジタルを行き来し、スモーキーな雰囲気が出るようにしました。 できるだけイマジネーションの濃い絵に仕上げたく、 そのようなことをいろいろ施しましたが実現できていますでしょうかね。   《制作背景》 2016年、世の中は悲しみや混乱、不安の拡大した年でありました。 日本が将来に抱える悩みも、相当に重い。 そんな中、失われた命や希望を補填し再燃させたい、 私たちはただ閉塞に向かう世界を生きているというのではなく、 尽きることのない力が何処かにあると心の隅に信じていたい。 そういうものがあるんだというヴィジョンを、ひとつの意思として、形にしておきたい。 振り返るとそんな思いがあったように思います。 見てくれた一人ひとりの方が、具体的にどんな状況にあるのか、私に知る由はありません。状況も、年齢も、全然違うことでしょう。 しかし、同じこの時に2017年を迎えるにあたって、 感じていることや負った傷、喪った悲しみや、 誰かや何かを大切にしたい気持ちなど、 通じ合うものも少なくないと思います。 共に迎える新年と、見てくれた一人ひとりを祝福したい。 ささやかな絵でありますが、 一つには、そういう想いを持ち。 そしてもちろんもう一つには、 ただただ「美しい絵を描きたい」という一心で、 持てる力を総動員して、仕上げた次第です。 改めましてみなさまの2017年を祝福いたします。 どうか良い年でありますように。 川口 忠彦 拝

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ロゴデザイン ”MUSIC ENGINE”

こんにちは。 このたび、新しい音楽団体“MUSIC ENGINE(ミュージック・エンジン)”様のご依頼によりブランドロゴを制作いたしました。   “MUSIC ENGINE”は、新旧のゲームミュージックを、大小さまざまなクラシック様式での演奏を企画・実行していく新しい音楽団体。 VENUS & ECHOESでお世話になっている河合晃太さんが発起人・主宰をなさっています。 河合さんはもともとVENUS & BRAVESをこよなく愛してくださり、 13年越しに実現したVENUS & BRAVESの単独演奏会であった “VENUS & ECHOES” のご縁からのオファーです。 しかしながら、今回の“MUSIC ENGINE”は、さまざまな作品を演奏していくとのことで、VENUS & BRAVES的なテイストからは少し離れて、新しいラインを模索していきました。 (とはいえ、私の場合はロゴデザイナーではなく、絵描きとしての取り組みになるので、大きな部分のテイストは変わらないのですが。) 団体の活動のイメージ、候補に挙がっているタイトルやスケール感などをヒアリングして、コーディネート致しました。 "(1)文字部は「ファンタジーRPG等を主軸に、ゲーム音楽をクラシック管弦楽で演奏する」という団体の構想から、クラシカルでゴシック的な字体を、優雅なカリグラフィ調でファンタジックに仕上げる。 また、MUSIC ENGINEという単語と構想作品のイメージから、直線要素を強調し、男性性・少年性を表現。 (2)イラスト部は「MUSIC ENGINE」という概念の視覚化を試みる。 「音楽を原動力とするエンジン」そして「音楽を作るエンジン」を、 弦楽器やホルン、パイプオルガンなどのエッセンスを用い、エンジンのパーツに組み合わせて表現。 ファンタジックでクラシカルな装飾や味付けを加えつつ、少年的ロマンを感じられるようメカニカルに構成。" ――制作ノートより ◇ 今回は、製品名や企画名ではなく、団体としてのロゴになるので、 メインで使用されることもありつつ、今後はクレジット的に使用されることが増えるであろうということから、地紋や加工のないバージョンも用意してあります。   各所でデザイン要素の一つとして配置されるときに、その紙面や企画にロマンやイマジネーションを付加するように、また言葉を用いずに、クオリティの保証をできるように、そんなふうに機能して欲しいと思い制作致しました。   第一回目の企画は 今年の11月12日、「エストポリス伝記II」という作品の演奏会になるとのことです。 公式サイトはこちら↓ musicengine-info.net 企画運営に関わる方、演奏者として関わる方、来場者の方々に愛着のあるロゴに育っていきますように。 今後の“MUSIC ENGINE”の発展をお祈り申し上げます。   HESOMOGE ARTWORKS 川口 忠彦 拝

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45歳になりました。

  皆様こんにちは。 本日めでたく45歳になりました。   ここ数年、毎年誕生日記事を書いています。 ちょうど上半期が終わる頃、思いを馳せるのによいタイミングです。 41歳の時の記事でこう書いています。 “今振り返って思えば、自分にとっての30代は、ほとんど丸々、暗いトンネルの中にいたようなものだった。 自分の思っている自分と、自分が実際に置かれている状況と、自分でも気づいていなかった自分の心の声…それらの不協和に苦しんだ。 一言で括ってしまうなら、暗澹とした10年だったといってもいい。 その長く、暗いトンネルから、音を立てるように抜けだせたのが40歳の一年だったように思う。” 40歳になった年に、初めての個展をしました。 作家としてはあまりにも遅いスタートです。 しかしこの5年、その30代の不遇(と敢えて言ってしまおう)を取り戻してなお余るほどの、過去や今の作品への反響をたくさん頂きました。   いまは、秋に控える、新作展に向けて、日々、心・技・体を整えているところです。 作家としての第2ステージ。次の一手です。 ゲームの絵やバンド関係のアートワークの蔵出しではなく、青い鳥タロットの小アルカナ展というわけでもなく、新しい世界。 けれどそれは、セブンも、ヴィーナス&ブレイブスも、姫君の青い鳩も、青い鳥のタロットも、全てその根を共有する、根源的世界です。   さまざまなテイストで創作をし、時に人を惑わせてしまう私ですが、 大きく一貫していることがあります。 それは “ファンタジーを描く” ということ。   心理学的に、ファンタジー≒お伽話とは、心理的に未成熟である子供が成長していく中で、現実の世界を少しずつ受け入れていくために、現実の中に夢を散りばめ、夢のなかに現実をなぞらえ、受け止めやすくしていくオブラートのような機能があるのだそうです。   かつてゲームの中で形にしたのは、“青少年向け”のファンタジーでした。 青年期の自分が、救われ、胸焦がし、生きる糧になっていたもの。 そこには、「世界は生きるに値する」という、強烈な世界の肯定がありました。 それらのファンタジーを咀嚼しながら、大人の世界、社会の一員として世界を受け入れていくための心理的な準備をしていたように思います。   そしていま、絵画の中で形にしたいものは、“大人向け”のファンタジーです。 私も含め、今を生き、そして半世紀を待たずに死んでいくであろう多くの命にとって、 それら全てを美しく、愛おしく思えるような“世界の観かた”。 安らかな暗闇を、そこから望む遥かな光を、滅びを前提に燃え盛る希望を、表しておきたい。 「それでもなお、世界は美しい」と。「生きるに値する」と。 そう自然に湧き上がる、私たちの原風景、ファンタジーの世界を、形にして残しておきたいのです。   “薄明のステュクス”であり、“巡礼―亡き王都へ―”、“再生の島”といった、近年私が断片的に描き出そうとしてきた世界です。   45歳、遅ればせながらの作家活動第2ステージ。 初陣は11月の個展です。 万全の準備で望む所存です。 …誕生日の記事のはずが、個展のことだけ書いておりますが(笑)、 偽らざる私の今の近況報告です。 可能な限りあらゆる「所属」から離れて、日々創作に没頭して生きております。 そんな私です。 よろしくお願いいたします。 川口 忠彦 拝

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『VENUS & ECHOES』を終えて

去る1月9日に行われた『ヴィーナス&ブレイブス』の楽曲演奏会『ヴィーナス&エコーズ』は大盛況でした。 発売から13年分の、深く熱い想いを持つ数百人で作った、儀式のように真摯に始まり、笑顔と涙で過ぎ去った時間。 当日は演奏者と指揮者の面々はもちろん、フロアスタッフの皆さんも大活躍で、大変お疲れ様でございました。   ◇   私は、当日に至るまでの約一年、ビジュアル面と企画のコンセプト面を作りあげていきました。 デザイナーの白倉良晃氏と共に、キービジュアルやパンフ、アンコールの掲示にも気を配って、 全てのデザイン要素を「一級コンテンツの設え」になるようパッケージングしました。 企画名やキャッチコピーも提案させていただきまして、 「“本物感”漂う、商業クオリティのエッセンス」をふりかけていきました。 『“監督全面協力”の本気』です。 結果として「演奏会」としてはもちろん、それ以上に、イベント全体がひとつの作品であるかのごとく『 VENUS & ECHOES 』という新たな魂の宿りを感じていただけたなら、今回の私の試みは成功です。   ◇   個人的に、そこまでパワーを注いで企画の実現と成功に向けて尽力した一番の目的は、 「ヴィーナス&ブレイブスファンの方への恩返し」です。 とりわけ、「ここ何年も僕の個人活動を応援してきてくれた方々への恩返しをしたい」というのが正直なところでした。 そして、それはしっかり果たせたと言っていいと思います。 あの場にいた多くの人達が素晴らしい楽曲と演奏を心から楽しんだことは、その場からも、終演後に皆さんとお話していたときにも、十二分に伝わってきました。 この企画に尽力したことが、 「続編ゲーム」という形で次をお見せできない、自分なりの精一杯の恩返しです。 喜んでいただけたようで、本当によかったです。   ◇   さて、私は以前から「ヴィーナスは“Waltz for ~”だけ突出しているけど、どれも名曲揃いなんだ」と言い続けてきたとおり、「ヴィーナス&ブレイブス」の音楽が良いものであることは、自分にとっては“14年前からの”自明の理です。 また、プロの演奏家であり、かつヴィーナス&ブレイブスのファンでもある河合さんが主催していることで、演奏が良いものになるというのも、確定事項のようなものでした。 (もちろん実現に当たって大変な配慮や苦労があったことと思いますが、それをも乗り越えるだろうという期待も含めてです) そのように、内容的には成功がほぼ約束された中で、私のしたことは、 この企画そのものの『位置づけ』と『演出』です。   私はいま、個人で創作と表現をする作家として活動しています。 「市場や顧客の求めに応じておもてなしをする」エンターテイナーとは違い、 作家は “自らの作品や表現に対して、心から誠実であること” そして “社会の変化を感じ取りながら、全身全霊をもって筋の通った生き方をすること” が、とても大切だと考えています。   述べた通り、この企画の主たる目的はヴィーナス&ブレイブスファンの方々への恩返しをすることです。 一方で、自分が監督した作品の企画であり、そこに自ら絵やデザインの仕事をし、新たに魂を込めるということは、自分の表現活動の一部でもあります。 ヴィーナス&ブレイブスという作品とも、この企画や来てくれる方々にも、そして作家としての自分にも、誤魔化すことなく誠実に向き合う必要がありました。   企画当初からミーティングでずっと言い続けていた、私がこの企画に向かうにあたってどうしても守りたかったことは、 「単なる懐古ではなく、今とこれからのためのものにしたい」 ということ。   語弊があるかもしれませんが、昔を懐かしんで、「おとぎの国をもう一度」することは、簡単なんです。 でもそれはしたくなかった。 ヴィーナス&ブレイブスというあの山はとても想い出深い場所ではあるけれども、旅の途中、 13年前に通った場所で、いまこの瞬間もその旅は続いているからです。 「あのころはよかった」なんて、まだまだ当分言いたくない。 「いま、ここ」の現実をうやむやにせず、肯定するものでありたい。 今日も、たぶん明日も生きる“私たち”のためのものでありたい。 それが、七梨乃那由多氏も書いてくれたとおり(→Link1 →Link2)、 ファンタジー世界とその不可逆的時間経過をテーマにし、また安易な予定調和に安住しなかった 『ヴィーナス&ブレイブスらしい姿』だと認識したのです。   ◇   その結果たどり着いたのは、 「この13年の経過をなかったことにしない」 ということ。   16歳の女子高生が 29歳のお母さんになっている。 当時31歳の私は44歳になり、 18歳の青年がいま31歳になっている。 お互いに、見える世界、持っているもの、信じていることが、当時とはだいぶ違っているはずです。至極自然な、美しいことです。 そういうことを“前提に”、この企画を共有したかった。 そうして、キーヴィジュアルは時間の経過と、現実社会との繋がりをテーマに持つ絵になりました。 “巡礼-亡き王都へ-”  2015 川口 忠彦   プレトークでは、「子供をあやすような話ではなく、大人同士の、中身の濃い話をしよう」と、決心しました。 言ってみれば、私はサンタクロースの衣装を脱いで、皆さんの前に出た。 「知っての通り、サンタクロースという架空の老人はいない。 サンタは君たちのお父さんやお母さんだ。 今、みんなは大人だ。 今度は君たちがサンタになって誰かに夢を見させてあげられる。 誰かの希望になることができる。 それって、おとぎ話のサンタクロースよりも、ずっと確かで夢があることじゃないかな?」 そんな話をしたような気がします。 大人になって現実を知ることって、夢がなくなるようなことばかりじゃなくて、 大人が本気で抱くロマンは、地に足がついた、スケールの大きなものだと思うのです。 なにより実現を目指し、時にそれが現実になることがある。 まさにこの日のようにです。   そんな視点から、この企画を捉えてみてほしかった。 あの時私たちが作った、壮大なファンタジー世界と、私たちが生きる今を、紐づけて、まるごと肯定したかった。 その位置づけと、演出をしたのが、今回の私の仕事です。   2016年1月9日 東京 三鷹。 ヴィーナス&エコーズは大盛況で、厳粛な雰囲気のなか幕を開け、夢のように過ぎ、幕を閉じました。   ◇   13年たって、君たちはいま、 それぞれ自分で舟を漕いで進んでいける。 一人一艘。 他の舟と寄り添ったり、離れたりして。   何年か先、また演奏会で会う方はその大きな会場で、また。   僕の探検に付き合える、勇敢なあなたは、個展など折々で合流しよう。 昔と違って今は一人だけど、僕の旅は続いていて、一人しか通れないような秘密の小島も見てきたよ。 深い淵や、最果ての風景を、冥府に浮かぶ満天の星を、一緒に見よう。   ◇   末筆ながら、 主宰の河合晃太さん、メインスタッフの西田さん、デザインの白倉良晃氏、指揮者の家田さんおよび演奏者の皆さん、演奏のための編曲で多大な協力をしてくれたおおがみまさこさん、スタッフの皆さん、すべてのお客様、ヴィーナス&ブレイブスの開発に関わってくれたすべての皆様、VENUS&ECHOESに関わってくれたすべての皆様に心より感謝いたします。 ありがとうございました。   また会える未来を楽しみに。   川口忠彦 HESOMOGE 拝    

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『青い鳥のタロット』が3歳になりました。

  3年前、2012年の今日、 僕の個展「タロット寓意画展 蒼き鳥たちの祝祭」にて、 『青い鳥のタロット』がひっそりと発表、発売になりました。     タロットカードという題材を選んだのは、『姫君の青い鳩』(ACE COMBAT5劇中童話)で生み出した絵柄を展開させたいという意図と、そしてなにより、タロットカードの持つ神秘的でイマジネーション豊かな、とても魅力的な世界を、自分なりに具現化してみたいと思ったからです。   画集や図録と違い「タロットカード」というフォーマットが、 どのぐらいの人に手に取っていただけるのか、まったく未知数でした。 不安でしたが、創作意欲に任せて作ったというのが正直なところです。 このあたりが、ものづくりの怖いところです。笑   ふたを開けてみると、僕の作品を好きでいてくださる方をはじめ、 タロットや占いの愛好家からプロの方まで、 多くの方が『青い鳥のタロット』を手に入れてくださいました。 この3年間で、想像を遥かに超えて、数多くの方に愛していただいて、生みの親としてとても嬉しく思います。   サツキメイさんのお手引きで雑誌ananの年占いのイラストとして2度にわたり掲載していただいたり、海外のフォーラムやサイトで紹介していただいたりと、有り難き名誉もありました。   なにより、 青い鳥たちが、日々占いや携帯用、観賞用として、ご縁があった方々の生活のお供として寄り添えているようで、そういうことが嬉しいです。   絵を主張することは、創り手として生き残るための手段ではあるけれども、 創作の目的ではないんです。少なくとも、自分にとっては。 見てくれる方、受け止めてくれる方の、生きる励ましや安らぎになることが一番なんです。   ◇   みなさまが“青い鳥” を愛し続けてくださることによって、 そのおかげで 青い鳥たちは今も生き続けています。     だから、今日は発売3周年というより、3歳の誕生日です。 本当にありがとうございます。 心よりお礼申し上げます。   なんだか自分の作品でありながら、すっかり独立した生き物のような感じがするんです。 そもそもタロットというものが歴史のあるものだし、青い鳥というモチーフもそう。 絵柄にしても、もちろんこれは僕のオリジナルですが、敬愛するビアズリーをはじめ19世紀の世紀末美術や挿絵黄金期の先人たちの水脈を受け継いでいるものです。 そういうこともあるのかもしれません。 ということで僕からも「3歳の誕生日おめでとう」と言いたいと思います。   末筆ながら、 監修の三上牧さん、トーキングアバウトの藤井まほさん、 青い鳥タロット親善大使として草の根で広めてくださっている星詠みたりあさん、 anan掲載でコラボをしてくださったサツキメイさん、 流通・販売に関わっていただいているみなさま。 青い鳥のタロットをご愛用、ご紹介くださるすべてのみなさまに、改めて心よりお礼申し上げます。 今後とも、“青い鳥” たちのことを、なにとぞよろしくお願いいたします。 青い鳥は、あなたとともに。   川口忠彦 HESOMOGE 拝   PS おかげさまで昨年増刷した第2版も完売し、このたび第3版を増刷いたしました。 ひっそりとマイナーバージョンアップしております。 カードと解説書は2版と同じもの、ケースが3mm厚になり、出し入れがとてもスムーズになりました。 大アルカナ版としては、これで完全版かと思います。 そして、「小アルカナ」はじめます! ただし! …何年かかるかわかりませんので、どうぞ長い目で見守ってやってください。  

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VENUS&ECHOES キーヴィジュアル

    こんにちは。へそもげです。まだまだ暑いですね。     新作アートワークが完成しましたので公開いたします。 こちら、僕が監督した『ヴィーナス&ブレイブス』の初の楽曲演奏会『ヴィーナス&エコーズ』のキービジュアルとなっております。     タイトルは “巡礼-亡き王都へ-”   発売から13年後にはじめて行われる演奏会。 その意味やありがたみをかみ締めながら、 当時表現したかった世界と、今の美意識とを繫ぎ合わせ。 V&Bが大好きな方なら「あぁ!」と喜んでくれるような、 しかし単なる懐古やファンサービスにとどまるのでもなく。 いまなお、前向きで創造的な、自分にとって描く意味のあるものをめざし、ひとつの光景に託しました。   タイトルロゴとアートワークが今回新しく僕が描きおこしたもの。 レイアウトデザインは、グラフィックデザイナーの白倉良晃氏によるものです。 お気に召していただけたら何よりです。 こちらのフライヤー、各種演奏会などで配布される予定です。 VENUS&ECHOES特設サイトは →こちら こちらの公演は「権利元からの演奏許諾の下実施される、有志による演奏会」です。 主催者様からのご相談を受け、個人的に協力しております。   川口忠彦 HESOMOGE 拝  

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44歳になりました。

  何故か毎年恒例になっている誕生日記事です。(笑) 今年も書きます。         思えばいつもいつも、目の前にあるのはスタートラインばかりです。   小さなゴールは何度かしてきたけれど、 気づけばやっぱり目の前にはスタートラインがあって、 やはりあらたに走り出すのです。   いろんな生き方がある中で、 自分はそういうあり方を望んだのだなと、振り返ってそう思います。   ゴールとスタートの間にいる。 タロットカードの【愚者】のようです。   人生の終わりもぼちぼち視界に入るようになってきたというのに、 44歳なりの落ち着きや貫禄とは程遠く、われながらまったく困ったものだと、ときどき思います。   ですが、いまさら変える気もさらさらなく。 死ぬまでずっと、挑戦者として在り続けようと、ただ思いを新たにするのです。     “つくる” ことを選んだ自分なりの、 これを矜持というのでしょうか。   あたらしいスタートを何度も切って、 思っても見なかった光景を、目の当たりにしていきたいと思うのです。   ◇   読んでいただきありがとうございます。 歳をとってますますつきあいづらい人間だと思いますが、 今後ともよろしくお願いいたします。   川口忠彦 HESOMOGE 拝  

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ロゴデザイン レジェンドオブレガシー

こんにちは。へそもげです。 ロゴデザインをさせていただいたファンタジーRPG「レジェンド オブ レガシー」が、1月22日に発売になります。 ええ、なんとゲームの仕事です。 ゲーム制作の仕事としてはエースコンバット5の『姫君の青い鳩』以来ですから、およそ10年ぶりというところでしょうか。 現在僕はゲーム制作は基本やってないのですが、こういうスポット型は参加しやすくてとてもありがたいです。 このたびは、ディレクターの松浦さんが大のヴィーナス&ブレイブスファンということで召喚してくださいました。僕があの作品のロゴデザインをし、いまは独立していることを知って、コンタクトをくださったのです。 松浦D、まだまだお若くて28歳ぐらい?でしたかと思います。 まさにちょうど、先日の記事に書いた「ラブレター」を宛てた世代なんですね。 自分の作品に共鳴した子たちが大きくなって、こうして自分を呼んでもらえるというのは、とてもとても感慨深いものですね。 初回打ち合わせも松浦Dとヴィーナス話に花を咲かせてとてもたのしく過ごしました。 ◇ ロゴ自体の話。 ゲームというコンテンツは、膨大な要素を持つ複合作品です。 特にRPGは、絵や音楽、物語という情緒的なものも多分に含みます。 そういう膨大な物が積みあがったピラミッドの一番頂点のピンポイント部分がタイトルロゴ。 だから、できるだけその全体像をうまく抽出して、代弁できるものでないといけません。 そういう意味で、ヴィーナス&ブレイブスのロゴを僕が自分で描いたのはしっくりくるというか、理に適ったことです。 本作では、剣と魔法の正統派ファンタジーであるポジション。 浜渦さん楽曲の持つ透明感。スピード感のある、風や勢いを感じる、颯爽としたイメージ。 これらを踏まえつつ、クオリティの高さを体現するため、シンメトリックな安定感も入れることで、インパクトに終わらず、長く見ても、何度見ても飽きない、というバランスを目指しました。プレイヤーの方々に愛着を持っていただけたら何よりです。 ◇ 内容のほうはまだ未プレイなのですが、とても錚々たるスタッフであり、期待しております。ロマサガの「電球」はゲーム史上に残る屈指の名仕様だと思っております。初めて「アローレイン」が発動したときの興奮はいまだに覚えています。 このような意欲作に参加させていただき本当に嬉しく思います。ありがとうございます。 久しぶりの、しっかりしたロゴデザイン制作、ミクロのリズム感の調整がとても楽しかったです。 ↓製品情報はこちら ファンタジーRPG「レジェンド オブ レガシー」 http://www.cs.furyu.jp/legendoflegacy/ 川口忠彦 HESOMOGE 拝

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寒中お見舞い申し上げます

みなさま。 寒中お見舞い申し上げます。へそもげです。 いよいよ冬本番というところですがいかがお過ごしでしょうか。 本年もどうぞよろしくお願いいたします。   昨年は正式に独立開業をし、青い鳥のタロットの再版、Tシャツブランド立ち上げ、一ヶ月に及ぶ個展、「ヴィーナス&ブレイブス」の楽曲を含めた演奏会、青い鳥タロットのanan掲載と、おかげさまでなかなかの充実ぶりでした。 つらい別れも体験しましたが、それ以上に印象的な出会いや再会、そして絆を深めるような出来事が非常に多くありました。 これまで知り合いだった方と距離が近くなったり、音信不通だった方から連絡いただいたり。 自分の中でわだかまっていたことが氷解したり。 こころとこころが触れ合うような体験がありました。多くの方の暖かさに触れ、それらがずっと存在していたことに気づかされる一年でした。 受け取ったたくさんのものを、自分の中でしっかりかみ締めて、改めて絵に昇華させたいと思います。この道を選んだからには、それこそが求められる生き方でしょうから。 ◇ とりわけ夏の個展を終えてからは、大切な友に会ったり、日没の空や星を見ながら、ゆっくりゆっくり自分の心に耳を傾けてきました。 観た風景と表情。 聴いた言葉と音楽。 感じた光の色、想い。 それらのものがゆっくりと心に染み渡るのがわかって、耳を澄ましていました。 そうしたら次に目指すところがはっきり見えてきました。 自分が次に描きたい世界。 『ヴィーナス&ブレイブス』や『姫君の青い鳩』『極北の冥府』『青い鳥のタロット』といった自分の中心軸のその先です。 時期的に間に合いそうだったので、ドローイングで作品のイメージを仕上げ、年賀状にしました。 すごく久しぶりに心情にがっちりシンクロした絵が描けた気がします。 ◇ “薄明のステュクス” 『ステュクス』とは、此岸(この世)と彼岸(あの世)を分ける川。 頭上に光るのは『デネブ』という、はくちょう座の恒星。 私たちが生きていると逃れようもなく負ってしまう罪や傷。 しかしその全てが、やがて赦し癒されるものであれという願いを、 ひとつの光景に託しました。 (若干の予備があります。ご希望の方はご連絡くださいませ。) ◇ 新年明けて早々、病床の方からご連絡いただきました。 『―生きている側とそうでない側をいつもフラフラして私にとって、薄明のステュクスという作品は、とても心安まる、大切な絵になりました』 とてもありがたきお言葉です。 僕自身、 幼少から病弱で今も命の不安を日々抱えながら生きている身です。 「そんな自分だからこそ描ける光景を」と常に思ってきました。 なので、それが安らぎになったなら報われます。 先日の記事にも 「僕の作品は暗いから、いまがハッピーな人をさらに盛り上げるような彩りはない。その代わり、心に傷があったり、闇の中にある人に、ほんの少しだけ寄り添い、照らすことはできるかもしれない」と書きました。 僕は、闇に在る人に寄り添いたい。 闇を抱える人がいつも暗く俯いているとは限らない。 意外と陽気に元気に暮らしていたりする。 暗く愚痴を吐く人の闇が意外と浅かったりもする。 僕自身、闇から抜け出すことは、きっともはや不可能なので、せめて寄り添って、共に光を求める側にいたい。 そしていつか闇を克服して光を得るのだと、生きている間ずっと願い続けます。 ◇ 今年は、この作品を出発点に、新シリーズの作品を制作していきます。 11月~12月ごろには作品をまとめて個展をやりたいと思っております。 できるなら、会場でお会いいたしましょう。 それでは、本年も何卒よろしくお願いいたします。 今が闇の中にある方には、どうか光が照らしますよう、 今が光に包まれる方にはますますのご活躍を、心よりお祈り申し上げます。 2015年1月8日 川口忠彦 HESOMOGE 拝

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十年越しのラブレター

こんにちは。 今日はクリスマスイブですね。 今年はたくさんの出会いや再会があり、特に12月には個人的にとても想い出深いことがあったので、記事を書きます。 感傷的な思い出話ですけど、クリスマスということで大目に見てやってください。 ◇   10年少し前、僕が30歳を少し過ぎた頃、ラブレターを書いた。 お相手は、当時中学生か高校生ぐらい。   寝る時間を惜しんで、推敲を重ね、想いを綴った。   渡した瞬間には、たしかに喜んでくれたように見えた。 けれど、あまり好みでなかったのか、何とも思われなかったのか、自分のあて先を書くのを忘れたのか、定かではないが、返事はもらえなかった。   ずいぶん長い間待っていた。 やっぱり返事は届かなかった。   本当は、返事とか、そういうなにかを期待するようなものではなかったのかもしれない。 けれど、何らかの心の触れ合いを期待していた僕の気持ちは翳り、次第に暗い闇に包まれていった。 こんな思いをするぐらいなら、あんなことしなければよかったと、悔やみさえもした。   何年も過ぎていった。 もう忘れて、すっかりつらくなってしまった思い出と決別して、新しい人生を送ることにした。   そうして、10年も経とうというころ、返事が届いた。     『あの頃から好きでした。いまも好きです。ずっと好きです』     そう書いてあった。     あまりにも遅れてきた返事に、戸惑い、不貞腐れ、歓喜した。 そして、僕はこの奇跡を、生涯大切にしようと誓った。   ◇   2003年、ヴィーナス&ブレイブスというゲーム作品を監督して、世に出した。 ターゲットは中~高生で、当時そのぐらいの年代だった彼ら彼女らは、いま20代後半から30代前半ぐらい。 そういう人たちがもうすっかり大人になって、いまは個展なんかに来てくれて、会うことができる。 日本全国遠くからも、駆けつけてくれる。これまでの空白を埋めるかのようにいろんな話をする。   「ファンを大切にしていますね」   と、言っていただけることが多い。   でも、誰だって、自分みたいにどうしようもない恩知らずでさえ、こんな出会い方をしたら自然と大切にするでしょう、と思う。 十年のお預けを食らって、ようやく返事をもらって、やっと再会できた相手を大切にしないわけがない。 自分の人生に起こった、ちょっとした奇跡です。   こんな風に、作品を好きだといってくださる方と出会い、言葉を交わせること自体、全然当たり前のことではなく、とんでもなく貴重な機会だと知ってしまった。 だから、ゲームのファンの方だけでなく、青い鳥のタロットの愛好家の方も、他のアートワークを好きでいてくださる方も、会えること自体がやっぱり奇跡的なことで、「好きでいてくれてありがとう」と伝えたい。   ◇   作品は、ラブレター。 発表は一対多数の形でするけれども、 私からあなたへ、一対一のごく個人的な手紙として、心と心を通わせようとして綴っている。   僕の作品は暗いから、いまがハッピーな人をさらに盛り上げるような彩りはない。 その代わり、心に傷があったり、闇の中にある人に、ほんの少しだけ寄り添い、照らすことはできるかもしれない。   「心をこめたラブレターは、きっといつか心に伝わって、何年経ったとしてもやがてめぐり合える」 たくさんの人から受け取った暖かさのおかげで、いまはそう信じることができる。   ほんとうにありがとう。   僕はこれからも作品というラブレターを書き続け、あなたに届けます。 川口忠彦 HESOMOGE 拝  

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