ありがたきことに、健やかに47歳になりました。
17歳。高校二年からなんと30年。
思い返せば、
15歳で高校受験という大きな山を乗り越えて以来、
その先の目標を見失い、
やりたいことはあるようなないような…。
高校は男子校。
恋で気を紛らわすこともできず、
好みの合う仲間や気の合う友も見つからず、
そうなれば自分に自信も持てず。
そんな逡巡と閉塞感に満ちた思春の日々を通過したのちの、
17歳のある日。
ちょうど30年前、高校二年生の今頃。
それまで自分にさんざん歯止めをかけてきた多くの否定的な考え、
あらゆる消極的な気分、悲観的な予測を突き破って、
『うぉー、おれは絵を描くことを仕事にしたい!』
『人生をかけて取り組む仕事が欲しいんじゃああああ!』
という爆発的な衝動が、ついに魂の底から沸き上がってきたこと、
全身に力がみなぎったあの時のことをいまだに思い出します。
あれから30年。
ずっと歩き続け、いろんな景色を見てきました、危ない目にも会いました。
消えることない傷も負ったし、
手に入れられなかったもの、
失ったもの、
たくさん有ります。
しかし。
ただ一つ。
17歳のあの時の自分に恥じるような生き方だけはしていないと、胸を張れます。
17歳の自分に会うことができるなら、
「お前が今選んだその道の、まっすぐその先をおれは歩いてるぜ!」
と言えます。
30年経って今。
あの気持ちは、17歳のあの日から、何も変わっていません。
いや、変わっていないどころか、
憧れた光はさらに強く輝いて、
より純粋な想いで、絵や創作物が、そして何よりそれらを作りだすことがあのときよりも好きで仕方ありません。
それが、47歳を迎えた、いまの私です。

47歳、他の人なら、そろそろ子供が成人したり、ふかふかの椅子に座って現役の幕引きを思い描いたり、背負ってきた荷物を降ろすことを考える時期かもしれません。
でも、17歳のあの決意から、私は別の道を選びました。
この十年ほど、自分の創作の柱である「自分の絵」を見直すために、さまざまな角度から学び直しました。
いまさらこんなことを、というような地味なトレーニングもしました。
さあ、本番はこれからです。
やりたい事、学びたい事、描きたい絵が沢山あります。
17歳の自分に会えるなら、こんな風にも言ってやりたいです。
「死にゃあしねえよ。胸張ってそのまんま行きな」
と。
また作品でお会いできれば幸いです。
読んでくださりありがとうございました。
2018.6.20
川口忠彦
拝