寒中お見舞い申し上げます

みなさま。

寒中お見舞い申し上げます。へそもげです。

いよいよ冬本番というところですがいかがお過ごしでしょうか。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

昨年は正式に独立開業をし、青い鳥のタロットの再版、Tシャツブランド立ち上げ、一ヶ月に及ぶ個展、「ヴィーナス&ブレイブス」の楽曲を含めた演奏会、青い鳥タロットのanan掲載と、おかげさまでなかなかの充実ぶりでした。

つらい別れも体験しましたが、それ以上に印象的な出会いや再会、そして絆を深めるような出来事が非常に多くありました。

これまで知り合いだった方と距離が近くなったり、音信不通だった方から連絡いただいたり。
自分の中でわだかまっていたことが氷解したり。

こころとこころが触れ合うような体験がありました。多くの方の暖かさに触れ、それらがずっと存在していたことに気づかされる一年でした。

受け取ったたくさんのものを、自分の中でしっかりかみ締めて、改めて絵に昇華させたいと思います。この道を選んだからには、それこそが求められる生き方でしょうから。

とりわけ夏の個展を終えてからは、大切な友に会ったり、日没の空や星を見ながら、ゆっくりゆっくり自分の心に耳を傾けてきました。

観た風景と表情。
聴いた言葉と音楽。
感じた光の色、想い。

それらのものがゆっくりと心に染み渡るのがわかって、耳を澄ましていました。
そうしたら次に目指すところがはっきり見えてきました。

自分が次に描きたい世界。
『ヴィーナス&ブレイブス』や『姫君の青い鳩』『極北の冥府』『青い鳥のタロット』といった自分の中心軸のその先です。

時期的に間に合いそうだったので、ドローイングで作品のイメージを仕上げ、年賀状にしました。
すごく久しぶりに心情にがっちりシンクロした絵が描けた気がします。

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“薄明のステュクス”

『ステュクス』とは、此岸(この世)と彼岸(あの世)を分ける川。

頭上に光るのは『デネブ』という、はくちょう座の恒星。

私たちが生きていると逃れようもなく負ってしまう罪や傷。

しかしその全てが、やがて赦し癒されるものであれという願いを、

ひとつの光景に託しました。

(若干の予備があります。ご希望の方はご連絡くださいませ。)

新年明けて早々、病床の方からご連絡いただきました。

『―生きている側とそうでない側をいつもフラフラして私にとって、薄明のステュクスという作品は、とても心安まる、大切な絵になりました』

とてもありがたきお言葉です。
僕自身、 幼少から病弱で今も命の不安を日々抱えながら生きている身です。

「そんな自分だからこそ描ける光景を」と常に思ってきました。

なので、それが安らぎになったなら報われます。

先日の記事にも 「僕の作品は暗いから、いまがハッピーな人をさらに盛り上げるような彩りはない。その代わり、心に傷があったり、闇の中にある人に、ほんの少しだけ寄り添い、照らすことはできるかもしれない」と書きました。

僕は、闇に在る人に寄り添いたい。

闇を抱える人がいつも暗く俯いているとは限らない。
意外と陽気に元気に暮らしていたりする。
暗く愚痴を吐く人の闇が意外と浅かったりもする。
僕自身、闇から抜け出すことは、きっともはや不可能なので、せめて寄り添って、共に光を求める側にいたい。
そしていつか闇を克服して光を得るのだと、生きている間ずっと願い続けます。

今年は、この作品を出発点に、新シリーズの作品を制作していきます。
11月~12月ごろには作品をまとめて個展をやりたいと思っております。

できるなら、会場でお会いいたしましょう。

それでは、本年も何卒よろしくお願いいたします。

今が闇の中にある方には、どうか光が照らしますよう、
今が光に包まれる方にはますますのご活躍を、心よりお祈り申し上げます。
2015年1月8日
川口忠彦
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