みなさま。
新年明けましておめでとうございます。
へそもげです。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
昨年の私は、個展など大きな作品発表の機会がなく、多くの方と直接お会いできる機会がほとんどないまま一年が過ぎていきました。
個人的にはいろいろと環境が変わり、それなりに忙しく動き回っておりました。
そんな中でも、青い鳥タロットが店頭やAmazonで販売いただき、発売一年を待たずに完売したり、春・夏におこなったライブペイントにお越しいただいたりと、多くの方との繋がりに励まされ、どうにか歩んでこられました。
お会いできた方々にも、遠方からお声がけ下さった皆様にも、心より感謝申し上げます。
本当にありがとうございます。
photo by Azumix
さて、2014年は早速今週末11(土)のライブペイントからはじまります。
1月11日(土) / Open 18:30 Start 19:00
横浜天王町オレンジカウンティーブラザーズ
[bands] TERROR SQUAD / A(あ)
[Live Paint] HESOMOGE
>>>詳細はこちら!
ライブペイントはまだまだ修行中の身で、毎度模索中なのですが、それゆえのおもしろさがあるかもしれません。
お時間合えば御高覧くださいませ。
◇
昨年は、これまでになく多くの展覧会を見た年でした。
年初に「今年は100個見るぞ!」というややバカっぽい数値目標を掲げ、結果、大きな美術館から画廊の個展まで、延べ123の展示を巡りました。
実は私、あまり人様の絵を観るのは得意でなかったのです。
しかしよくよく自分の仕事を振り返ったときに、かつてそれなりにきちんとゲームを作ることができたのは、数多くのゲームをプレイしていたからだということに気づきました。
どんなに独自の道を一人で切り拓きながら進んでいるつもりでも、われわれは実は逃がれようもなく絵や芸術の歴史という巨大な水脈の中で制作をしているということに、改めて気づいたのです。
ゲームという、歴史の短いメディアですらそうなのですから、“いわんやアートや絵画をや”です。
「引き出しを増やす」という言い方はあまりに因果が直接的過ぎて違和感があるのですけど、
やはりいろいろな先人の取り組みを知り、そのまま借用するのではなく、解釈し溶かし込んで、創作の原材料にするということ。その原材料の多さが、創作に直結してくるものだよなあと。
数を見ることで、まずはそのちっぽけな自分の“想像を超える多様さ”に触れることが出来る。
そしてもうひとつは、その中に共通している“品質のライン”であったり、“人の心を動かす何か”という共通性を見出してくる。
とりわけ、この二つめ。
いくつもいくつも美術館や個展を巡るうちに、アートをアートたらしめている高品質や高級感の心地よさに気づき始めました。
そして、昨秋に訪れた直島で「これはアートの重要な構成要素のひとつだ」という確信にいたりました。
(このあたり、せっかくの「大アート行脚」でしたので、具体的な展示の話題など改めて記事にしたいと思います)
考えてみれば、美術館は、厳選された作品はもとより、その空間全体や周りの静寂も込みで、とても高級で贅沢な快適空間です。
しかもそれが実はとても安価に味わえる。
僕は自分でアルバムを作ってしまうくらいに、音楽が好きです。
音楽は、音楽でしか触れられない心の傷に直接触れてくる。
それと全く同じように、
アートにもやはり、アートでしか触れられない感覚があると今は強く思います。
アートという媒体そのものの豊かさ楽しさ味わい深さを感じられるような作品や展示をしていきたいと、思うようになりました。
自分というひとしずくのことだけではなくて、自分が流れているこの雄大に輝く河そのものの美しさをお見せできるような姿が理想だなと。
昨年はそのように、環境や心境に大きな変化がいくつもありました。
これらがまたいろいろな道を経て、作品や活動に現れてくるのだろうと思います。
それら変化のもう一方で、
創作・表現活動のために命を燃やすのだという自分の核心はまったくぶれておりません。
むしろ、より根源的で本質的な作品作りにますます邁進するために、もろもろの身辺を整えております。
様々な後ろ楯をも取り払い、もはや剥き身で進んでおります。
なにとぞお力添えをいただけましたら幸いです。
末筆になりましたが、2014年という年が、みなさまにとって実り多き年でありますようお祈りさせていただきます。
その一隅を支えられるべく、私はささやかながらに勇んでまいります。
改めましてどうぞよろしくお願いいたします。
2014年1月6日
川口忠彦
HESOMOGE
拝